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梅田の喫茶店

うめだのきっさてん  -  思い出シリーズ#3

大阪の中心地、梅田

学校へは梅田を経由していたので、バイト先は梅田で探した。交通費が出るバイトにしておけばお得だからね。いくつかバイトをしたが、全部梅田。
学生時代は梅田が生活の拠点だった。

学校が終わりバイトまで時間が空いた時に、喫茶店で過ごすことがよくあった。
そうすると自然、行きつけの店ができてくる。


初めて「いつもの喫茶店」と言えるものができたのは、19歳の時。
学校帰りに友人とふらっと入ったのをきっかけに、時々一人で行くようになった。
今も全国にあるチェーン店。
バイトまでの時間潰しに30分から1時間ほど過ごしてたのだが、そのうち一人で喫茶店に行くこと自体が目的になっていた。心を落ち着ける時間。
カウンターに座り、頼むのはアイスコーヒーかホットコーヒー。
最初はアイスコーヒーに入れる「シロップ」というものを知らず、普通に砂糖を入れてた思い出。
文庫本を読んで過ごしていた。
今この店はもう無い。大阪駅の大改修で、フロアごとなくなっちゃったね。


同じ時期にもう一つ通ってたところがある。
店のことはあまり細かくは覚えていないのだが、同年代ぐらいの可愛い店員がいたので、その子に会いたかっただけだと思う。話しかけたことはない。コーヒーを飲みつつたまにちらっと顔を見てただけ。
ある日行ったら閉店していた。
もうあの子を見ることはないのかという残念な気持ちと、そうでもない気持ちが入り混じっていた記憶がある。
「喫茶店で働く可愛い店員さん」が好きだったのかな。


タバコを吸うために行っていた店。
タバコを吸うのがカッコいいという風潮だった。
当時タバコを吸う奴は、観測範囲ではだいたい10代から吸ってたが、僕はちゃんと20歳の誕生日を過ぎてから。マルボロやラッキーストライクなどの洋モクを吸ってた。「喫茶店でタバコを吸う俺」に酔ってたのかもしれない。確かに大人になった気分は味わえるのだった。
この店は3年ほど前にふらっと行ったことがあり、まだタバコが吸えた。もうやめてたので吸わなかったが、20代の頃と全く変わってなくてなんかほっとした。当時の店員はいないだろうが、愛想の悪さはそのままで安心した。
ググってみたらまだ店は健在。コロナ禍でも頑張ってるようだ。


サンドイッチを食べに通ってた店。
うまい訳ではない。普通だ。
しかし通常の半分サイズのサンドイッチを、コーヒーに100円(150円だったかも)プラスで食べられたので、小腹が空いてた時はそこに通っていた。
でもここは立地が良くて常に客が多かった繁盛店。静かにゆっくりしたい僕にはあまり好みの店ではなかった。ただただ安いサンドイッチを食べるために行ってたのだ。
ある時コーヒーが値上がりし、サンドイッチのボリュームが減るという事件が起きた。それ以来、行かなくなった。


バイト先の近所の喫茶店。土日に働く時には休憩時間があったので、バイトの制服を着たままいってた。
バイト先の制服を着たまま店以外の場所で一人過ごす体験は新鮮だった。店員としての振る舞いも意識しつつ、プライベートな時間を過ごす、ONとOFFの中間の不思議な感覚。
バイトを辞めた後は行くことはなくなった。
辞めて数年後通りかかった時、店名が変わり、内装もすっかり変わってた。オーナーが変わったのだろう。


5店挙げてみた。「通った」と言えるのはこの5店。

僕は元々かなりのコミュ障であったが、社会人経験を通して、コミュニケーションの技術を身につけることで改善はしてきた。今では人並み程度のコミュニケーション能力はあるだろう。
でもそれは「技術で凌いでいる」だけで、人とコミュニケーションを取ることに多大なストレスを感じることは全く変わっていない。
学校に行ったり会社に行ったりすると必ず人と会う。一人で過ごす時間を毎日一定程度作らないと精神の健康が保てないのだ。そのために通っていた部分が大きい。喫茶店には大変お世話になった。

コロナ以降、リモートワークになり、人と会う機会が激減した。おかげで精神もすこぶる安定していて、喫茶店で過ごす必要もない。

今後も基本リモートワークなので、喫茶店に通うことはもうないのかもしれないね。





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