プログラマによる技術記事を書かないブログ。

禁煙までの紆余曲折

きんえん  -  思い出シリーズ#7

ここにも書いたが、かつてタバコを吸っていて、今は吸っていない。

紆余曲折があったので振り返っておく。


タバコを吸うつもりはなかったのだ。
野球をやっていたので、せっかく練習して頑張ってるのになんでわざわざパフォーマンスの妨げになるようなものをやるのか、やるわけがない、と。

しかし、高校を卒業して野球もしなくなった。
喫茶店で友人がプカプカ吸っているのを見るうちに抵抗感も薄れ、「吸ってみる?」と勧められて手を出したのが始まりだった。
その時はうまく吸えず「なんでこんなものを吸うのか」と思ったんだが、そのうち「ちょっと吸ってみよう」と何度かやるうちにすっかり習慣になってしまった。
20歳前から吸ってるやつに勧められてちょっと吸ってみるうちに習慣になるという、僕の年代だと多かったパターンだと思う。

火のついたタバコを手のひらに乗せ、その手首あたりを反対の手でをポンと叩いてタバコを投げ上げて口に咥える、という芸が一部で流行り、僕も合コンで披露したことがあった。アホな芸だけど割と受けたのだ。
口に咥えるのではなく、鼻の穴に刺さるようにするという芸を練習したことがある。
練習では何度か成功したが、合コンで披露するレベルには至らなかった。もっと練習したらよかったかもしれない。
ちなみに今まで合コンに行ったのは3回だけである。
まあチャンスがなかったね。

話が逸れた。
数年後、「やめよう」と思い立ってやめた。
簡単にやめられた。
禁煙開始後の数日は、吸いたくてしょうがなかったが、持ち前の負けず嫌いと野球で鍛えた根性だけで乗り切った。
ニコチンの肉体的依存は1週間あれば断ち切れるようなので、気合だけで乗り切れたのだ。若かったし。

しかしまた吸い出したのである。
就職後、周りに喫煙者が多かった。
今では考えられないが、自分の席で普通にみんな吸ってたので、「タバコを吸いつつ仕事をする」感じが当時の僕には何か惹かれるものがあったのだった。

しばらくしてまた禁煙した。
段々と世の中がタバコに厳しくなってきて、吸う場所がどんどん減ってきたのである。
事務所も禁煙になり、仕事中にタバコを吸うなら一旦手を止めてわざわざ喫煙所に行く必要がある。めんどくささが勝ち、またやめたのだった。
ここでもまた気合で禁煙に成功した。

数年後、転職をきっかけにまた吸い始めた。
世の中はもう「自席でタバコを吸う」など言語道断という状態。この頃は僕ももう「なぜあんなに自席で吸ってたのか。吸わない人はさぞ居づらかったろう」と思うようになっていた。
しかし転職前から「喫煙所で居合わせた人たちが何か議論を始め、意思決定まですることがちょくちょくある」という現象がみられるようになったことは感じていて、転職後もその傾向があったので、会話だけをしにときどきふらっと喫煙所に行くようになった。中途入社して間もないということもあり、コミュニケーションの必要を感じていたのだ。
そのうちになんとなくまた吸うようになってしまったのである。

またやめようとしたが、今度はかなり苦労した。
禁煙を始めたら猛烈な睡魔が襲ってくるようになったのである。
それまでなかった禁断症状だ。
仕事にならないほどの酷さだったので、吸わざるを得なかった。背に腹は変えられない。
当時はいわゆるITドカタ的な働き方をしていて、過労死ラインを超える労働時間が普通という状態だったのだが、ある時たまたま年末年始に2週間近い休みが取れたことがあった。
この期間を利用して禁煙に成功した。眠くなったら眠ればいいだけなのでなんの問題もない。
ここでも気合いで禁煙に成功した。
世の中いろんな禁煙メソッドがあるが、僕の場合は気合いだけで行けた。精神的依存は少ない方だったのだろう。ある意味ではラッキーだった。

その後も何度か酒の席などでちょっと吸ってみたことはあるが、その場だけでやめている。

そしてここ10年は一度も吸っていない。
今はテレワークで、雑談もチャットで行われるようになり、意思決定もテキストで残されるようになった。コミュニケーションの道具としてタバコを使う必要は無くなった。

どんどん値上がりして、今は吸い始めた頃の2.5倍ぐらいにはなってる。
今吸ってる人は大変だな。

僕は多分もう2度とタバコを吸うことはないだろう。
鼻の穴に刺す練習はもうちょっとしたい気はするが。
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